okeiの思考ブログ

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『散り行く花』

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死ぬまでに観たい映画1001本 に選出されている1919年のサイレント映画

映画の父、グリフィス監督、脚本による、とてつもなく哀しい物語。

父に殴られ虐待の限りをつくされる薄幸の少女(リリアンギッシュ)と中国から仏教を広める為にロンドンにやってきた青年との淡い恋。

人生にうまくいかずスラム街で阿片を吸い頭がボーッとする青年の様子など、今考えるとかなり凄い描写があり驚く。阿片戦争の歴史が頭をよぎります。

古い映画ですがスラム街の街並みなど叙情的な芸術性を感じる映像もあり、物語の展開や構築の仕方は基本的でサイレント映画の苦手な人やグリフィスの『イントレランス』や『國民の創生』で挫折した人には見やすい作りになってると思う。

本作で特質すべきはリリアンギッシュの演技力でしょう。怯えた顔、無理やり笑顔を作ろうとする引きつった顔、恐怖に歪んだ顔など本当に見事です。

クライマックスでキレまくった父親が少女を斧で追い詰めるシーンはキューブリックの『シャイニング』さながらのホラー色。

 

いつの時代も人間の愚かさは変わらない。

 

動画配信、UーNEXTでも配信されています。