『リトル・オデッサ』
1995年制作
制作国 アメリカ合衆国
私が好きになる映画のパターンの1つに、ある共通点があります。
特に盛り上がりがあるわけでもなく静かに淡々と流れるストーリー展開。ラストの加速度、俳優達の表情(無表情も含め)が生きてて魅力を感じる…私はそんな作品が大好き。
本作はまさにそんな映画です。
ジェームズグレイが若干24歳で撮った初長編デビュー作。この監督、私と同年代だけど当時の年齢は息子と同じくらいの歳…。このエモさをこの若さで出せるとは驚く。
ロシア系移民の街、リトルオデッサに殺し屋ジョシュア(ティムロス)が戻ってきた。母親は脳腫瘍を患い先は長くない。暴力的な父親に勘当されて母親に会うこともままならないが弟のルーベン(エドワードファーロング)はそんな兄を慕っている。
孤独な殺し屋ジョシュアは無表情で寡黙で何の躊躇もなく人の頭を撃つ。あまりにもアッサリであっという間に死が訪れる、死と隣り合わせの銃社会。ある意味恐ろしい暴力描写。
そんなジョシュアにも家族はいる。最初は遠ざけてた弟との交流や母親を見舞った時に見せた一瞬一瞬の表情にはっとする。
それゆえラストは何とも言い難い喪失感に包まれる。孤独な殺し屋は孤独なままでいるべきだったのか…
まだイケメンキープしている頃のエドワードファーロングの美少年ぶり、憂いを秘めた表情。若さの輝き。見てるだけで飽きない。
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